ダイビング講座−基礎知識を身につけよう!

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第1回  耳抜きって何だろう?

    みなさんこんにちは。どうですか?Cカードは無事取れたでしょうか。いよいよダイバーとしての第一歩を踏み出す時がやってきましたね。焦らず、じっくり、仲間とともにこれからのダイビングを楽しんでいってください。

さて、では今回からは、基礎的な技術や知識を増やすためにいろいろと書いていきます。難しいな、と思ったら、大いに後回しにしていただいて結構だと思います。そのうち、覚えれば良いのですから。

今回は、講習会の時にも習う、「耳抜き」について考えてみましょう。どうして耳抜きをしなければならないのか?その理由を知っていれば、ただ単にやらされているだけよりは楽しくなるでしょう。

講習会の時にも習うと思いますが、人間の頭の中には空気がいっぱいあります。この空気という気体は結構厄介なもので、圧力をかけると縮んでしまうんですね。ほら、小学校の頃に実験をしませんでしたか?注射器みたいな筒の先端に詰め物をして、後ろからギューッとおしてやると、中の空気の圧力が高くなって、ポンっとつめていたものが飛び出す実験です。

それとは逆に、圧力が小さくなれば、空気は増えるのです。ポテトチップスの袋を持って登山をした事はありますか?山の上の、気圧が下がる高さでは、ポテトチップスの袋はパンパンにふくれあがります。これは密封されているので空気の逃げ場所が無いからです。

さて、人間の頭の中にある空気にも同じ事がおこります。トンネルの中で、耳がツーンとなって、つばを飲み込んだら治ったという経験はだれしもお持ちと思います。これは、トンネルの中が空気の薄い状態、つまり山に登った時の状態になっているので、鼓膜の内側にある空気が膨れたからです。耳の中には弁のようなものがあるのですが、それがふたをしてしまって空気の逃げ場が無くなるので耳がツーンとするのです。

ところが、あくびをしたりつばを飲み込んだりあごをぐりぐり動かすと、耳の中の弁がずれて空気が通るようになります。そうすると空気が逃げてツーンが解消されるのです。

ということは、ダイビングで潜る、つまりより圧力の高い場所に行くということは、登山の逆で空気は縮んでしまいます。同じく耳の中にある弁がふたをしているので、鼓膜の外から内側へ向かって力がかかります。耳の内側が吸いよせるといった感じです。この吸いよせる力はトンネルとは比べ物にならないくらい強い力なので、ツーンをほっておくと最悪の場合は鼓膜を破ってしまいます。

さあやっとでてきました。ここで耳抜きをするわけです。耳の中を動かすような気持ちで大げさにつばを飲み込んでみましょう。それでもだめな時は鼻をつまんで鼻から軽く息を出してみましょう。

ここで注意しなければならない事がいくつかあります。耳抜き、特に鼻をつまんでの耳抜きは強くやりすぎてはいけないのです。強くやりすぎると、逆に耳の内側に圧力をかけすぎる事になるので、鼻血を出したり、耳を傷めたりします。

あれ?ぬけないな?と思った時は少し浅い場所に移動しましょう。そうすると圧力が弱くなるので耳抜きがしやすくなります。基本は、早め早めに耳抜きをすることです。そうすれば楽にできます。

それでも耳が抜けない!というときはどうすれば良いのでしょうか。

そういう時は、勇気を持って、ダイビングを中止しましょう。無理をして潜ると、リバースブロックにかかりやすくなるなど危険が増えます。また、中止までいかなくとも、インストラクターといっしょに浅い場所にとどまるなどの、計画の変更が必要でしょう。そのために、通常のダイビングでは、インストラクターが複数見てくださるのですから。

何も、深く潜るだけがダイビングではありません。浅い場所でも、十分に楽しむ事はできます。もしあなた一人だけが耳が抜けなくて、インストラクターと二人っきりになったなら、「耳抜きができなかった」と悔やむよりも、「インストラクターを一人占めできて、ラッキー」と思ってください。いろいろと教えてもらえるはずです。マスクの取り合いや、吐いたエアでリングを作ったりして遊んでみましょう!

 

さて、次回は「浅い場所は安全!?」について解説します。    [目次に戻る] [トップページへ] [メールを出す]


第2回  浅い場所は安全!?

    みなさんこんにちは。潜ってますか?というわけで、今回は浅い場所について、いろいろと考えてみましょう。

海には深い場所と浅い場所があります。これは当然ですね。深いところでは何百メートルもの海溝もありますし、ダイバーの活動範囲でも深ければ50メートルも60メートルもあるところを通るかもしれません。

逆に、ビーチや岩場など、その上に立てば顔が水面から出るような場所もあります。水深で言うと1メートルや2メートル、ちょっといって10メートルぐらいの場所です。

さて、ではここで問題です。深いところと浅いところ、どちらのほうが安全でしょうか。

実はここに落とし穴があるのです。人間の心理ではやはり浅いところのほうが安全だと思ってしまうのですが、実は浅いところに本当の危険が潜んでいるのです。

海の底のほうと、水面近くでは海水の動き方が結構変わります。特に風の強い日は要注意です。海底ではそんなに激しく海水が動いていなくても、水面では風にあおられて波立っている事が多いです。そんな日にスノーケルだけで水面を漂っていると、たくさん海水を飲まされるかもしれません。

冬の日本海などを想像していただけるとわかりますが、波が岩に当たると「ざっぱーん」と水しぶきを上げます。これを波が砕けると言います。ですから、浅い岩場などは、案外海水の流れが激しいです。そんなときに岩に捕まって休もうと思ったら、大変な事になります。波に押されて、岩の上に「どかっ」波は押したら引くものですから引きずられて「ざぶん」です。

じつは、これは最悪の場合骨折などしてしまうかもしれません。そんなに波が砕けていなくても、うかつに岩などに寄り添う事は危険なのです。慎重に判断してください。

過去に1度、筆者の先輩がやった事がありました。ブランクが長かったため、ダイビングの「カン」を忘れていたようです。ビーチダイビングを終えて、水面を移動して帰ってくる途中に岩に近づきすぎて、波にのせられて水面より上の岩の上を乗り越えてしまいました。幸い打ち身程度ですんだのでよかったです。

しかし、その時陸上から見ていたのですが、海の状況によってはそこそこの距離があっても引きずられてしまうようでした。

さて、今まで書いた事は、海の状況が悪ければ、の話です。天気が良く風も穏やかで絶好のダイビング日和であれば、そんなに気にする事はありません。

厄介なのはもう一つの浅さについての錯覚ですが一度にたくさん書いてしまうと覚えきれないので、また次回にしましょう。キーワードは「耳抜き」です。

 

さて、次回は「浅い場所は安全?2−圧力−」について解説します。   

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第3回  浅い場所は安全2!?

    というわけで、今回は浅い場所について、もっと考えてみましょう。

前回は天候や海況によって、浅い場所が危険な状態になることを覚えました。今回は、天候に関係なく、圧力の変化が及ぼす危険について考えてみましょう。

圧力の事は、オープンウォーター講習の時にも習った事と思いますが、もう一度復習してみましょう。

いま、私たちが住んでいる陸上には空気があります。その空気にも重さがあって、1気圧と言う事にしてあります。普段は全然重さを感じませんが、それは人間が慣れているからです。なんと!私たちのはるか上空、宇宙にいたるまでの空気が両肩にかかっていると考えるのです。

そして、水の中に入ると、水圧と言うものがかかります。これも同じく、あなたの上にある水がすべて、あなたへ圧力としてかかります。水は、空気よりずっと重たいので、10メートルで1気圧分の圧力がかかります。20メートルの水深で潜っているダイバーには2気圧分の水圧がかかっています。

ここに、落とし穴があるのです。あなたが水深20メートルに潜っている時はあなたの上には何がありますか?ひとつは、海水ですね。もう一つあります。そう、空気です。あなたがダイビングをしている時には、海水からの圧力(水圧)だけでなく、空気の圧力(大気圧)もかかっているのです。

ですから、あなたが水深20メートルでダイビングしている時には、水圧が2気圧、大気圧が1気圧の合計3気圧がかかっているのです。

となると、10メートルでは水圧1と大気圧1で2気圧、30メートルでは同じく3+1で4気圧かかる事になります。これは説明しやすいように名前がついています。人間に絶対かかっている圧力(水圧+大気圧)の事を「絶対圧力」、ダイビング中の水圧だけをさして「ゲージ圧力」と呼びます。

「ゲージ圧力」

なぜこう呼ぶのか詳しく説明すると、こうです。ダイビングの装備には「ゲージ」というものがありますね。ゲージには残圧計や、水深計、コンパスなどがついています。その中でも水深計と言うものは、今自分がどのくらいの深さにいるかを知るためには大切な道具ですね。

この水深計は、(簡単に言うと)水圧だけを感知して今何メートルかを表示してくれます。つまり、水圧がどのくらいかかっているか、水深計(ゲージ)はわかっているという事です。ですから、水圧だけを指す時、ゲージ圧力と呼ぶのです。

さて、本題に戻りましょう。圧力がゆっくり変わるのであれば、空気が膨らんだり縮んだりするスピードもゆっくりですね。ところが、この圧力が急激に変わると、どうなるでしょうか。

そうです。空気もすばやく膨らんだり縮んだりしてしまいます。つまり、人間が対処するスピードを超えてしまう可能性があります。これは、初心者であるほど対処に時間がかかるので、よりいっそうの注意を必要とします。

それでは、上記の事をふまえて、なぜ浅い場所が危険かの説明に移りましょう。

ではまず、あなたが水深10メートルでダイビングをしていたとします。そこから、水面まで帰ってくると、圧力の変化はどのくらいになったでしょうか。「絶対圧力」で考えてみましょう。

水深10メートルでは、絶対圧力は2気圧です。(ゲージ圧1+大気圧1)
水面(0メートル)では、絶対圧力は1気圧です。(ゲージ圧0+大気圧1)

そうすると、2気圧のところから、1気圧のところへ移動するのですから、圧力は半分になるわけです。ということは、空気は2倍に膨らみます。

では次に、水深20メートルから水面に帰ってくるとどうなるでしょうか。

水深20メートルでは、絶対圧力は3気圧です。(ゲージ圧2+大気圧1)
水面(0メートル)では、絶対圧力は1気圧です。(ゲージ圧0+大気圧1)

ということは、3気圧のところから1気圧のところへ移動するのですから、圧力は3分の1、空気は3倍に膨らみます。

さあ、ここからが重要です。では、水深20メートルから水深10メートルへ移動したらどうなるでしょうか。

水深20メートルでは、絶対圧力は3気圧です。(ゲージ圧2+大気圧1)
水深10メートルでは、絶対圧力は2気圧です。(ゲージ圧1+大気圧1)

です。そうです、もうお分かりですね。20メートルから10メートルへ移動すると、圧力は3分の2、空気は1.5倍に膨らみます。以下、表にしてみます。

水深 移動先の水深 圧力の変化 空気の変化 移動した距離
10メートル 0メートル 半分 2倍 10メートル
20メートル 0メートル 3分の1 3倍 20メートル
20メートル 10メートル 3分の2 1.5倍 10メートル
30メートル 20メートル 4分の3 1.3倍 10メートル

あれ?おかしいですね。水深20メートルから10メートルへの移動距離は10メートルですね。同じく、水深10メートルから水面への移動距離も10メートルですね。同じ10メートルの移動なのに、空気の変化が違いますね。

そうです。ここに浅いところのほうが危険な理由が存在するのです。浅いほうの10メートルが、深いほうの10メートルに比べて、空気の体積が変化する度合いが大きいのです。

この事から、空気に関するいくつかの注意しなければならない事が解ります。

ひとつは、B.C.にはいっている空気です。浮上中に、浅くなればなるほどB.C.の空気はどんどん膨らんでいくので、浅いところほど、注意して操作しなければなりません。

もう一つは、やはり体の中にある空気です。肺の中、耳の中の空気も浅いほうが急激な変化を起こします。

さて、いかがでしたか?ちょっと長くなってしまいましたが、浅いところだからと言って気を抜くと恐いということがお解りいただけたでしょうか。今度潜った時にそういうことを感じながら潜ってみると面白いかもしれませんよ。

 

さて、次回のお題はまだ決まっていません。リクエストなどあればお願いしますね。   

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